登場人物紹介
僕:数学が好きな高校生。
テトラちゃん:僕の後輩。 好奇心旺盛で根気強い《元気少女》。言葉が大好き。
僕が出した問題をテトラちゃんが整理し、だいぶ計算も進んできた(第315回参照)。
問題
縦が2メートルのスクリーンがあり、その底部は座席の目の高さから1メートルの高さに設置してあります。
このスクリーンを《見込む角》をできるだけ大きくするためには、スクリーンから何メートル離れればいいでしょうか。
※少年のイラストは「いらすとや」さんから
テトラ「《見込む角》と《見上げる角》をそれぞれ
僕「ど、どうしたの? 合ってるよ?」
テトラ「
僕「そうそう。《見込む角》を最大にするような、
テトラ「でも、ここからどうやって、
僕「もちろんそれは
テトラ「お待ちください。
僕「ああ、うん、もちろんどうぞ」
テトラ「……あたしはこんなふうに考えました」
僕「うん、それはとても正しい道筋だと思うよ」
テトラ「ですよね。そしてその《
僕「念のために言うけど、いま知りたいのは、
じゃなくて、
だよ」
テトラ「あっ、そうです。あたしが言いたかったのはそっちです。あたしって、自分が思っていないことを口走っていますね……」
僕「いやいや、まあまあ」
テトラ「いま、あたしたちが手に入れたのは、
僕「うん、そうだね」
テトラ「でもこの式ではまだ、
僕「テトラちゃん、テトラちゃん。ほらほら、またまた。
いま知りたいのは
テトラ「あっ、また……あたしたちは、
僕「
テトラ「
僕「たとえば、
テトラ「はい、わかります。
僕「そうそう。単調増加しているわけだ」
テトラ「単調増加……あっ、わかりましたっ! 先輩のおっしゃっていることがわかりました。
僕「それそれ」
テトラ「ああああっ、そうですよねえっ! だったら、
僕「うん、だから、
テトラ「わかりました。
僕「テトラちゃんは、関数
テトラ「あ、あのですね。び、微分しようと思います」
僕「そうだね。微分するのは関数を調査する定番の方法だけど、それはどうして?」
テトラ「微分するというのは、
最大値を取るところで《接線の傾き》がゼロになっている例
僕「うんうん、そうだね」
テトラ「はい」
僕「大きな流れはこれでいいし、導関数の値がゼロになる点を調べるのは大事なんだけど、注意がいくつかある。
たとえば、最大値じゃなくて最小値を取るときの場合もあるし、
極大値や極小値のときもあるし、
最大値を取るところと最小値を取るところの両方で《接線の傾き》がゼロになっている例
《接線の傾き》がゼロになっていても、そこでは最小値を取らないし最大値も取らない例
テトラ「なるほど……それは何とか理解しているつもりです。ですが……」
僕「?」
テトラ「関数
この関数を微分しよう
僕「あ、そっちを気にしていたんだね。これは《積の微分》を使えば難しくないよ」
積の微分
二つの関数の積
テトラ「ああ!」
僕「こんなふうに単純化した方が覚えやすいけどね」
テトラ「あっはい。《積の微分》はわかってました……」
僕「
テトラ「はいはい確かに積ですね。分母に来ているところを
僕「これで
テトラ「積の微分に当てはめてみます!」
僕「お願いします(ぺこり)」
テトラ「うけたまわりました(ぺこり)」
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